海外ボランティア

国際交流ボランティア

現在、日本には約215万人の外国籍の人々が暮らしているといわれています。この中で「特別永住者」の資格を持つ在日韓国・朝鮮人、在日中国人は43万9.000人、全体の20%にあたります。以上の人々の多くは、戦前から日本に住んでいる一世もしくはその子孫。そのため「オールドカマー」とも呼ばれているのが特徴です。

 

一方、1970年代以降に日本にやってきて学び、働く人たちは「ニューカマー」。中国、韓国、フィリピンなどのアジア諸国、ブラジル、ペルーなど南米諸国がメインです。特に1990年に入国管理法が改正されてから、日本にルーツを持つ日系人が工場などで仕事ができるようになったことで状況が一変しました。これ以降、特に南米からの外国人が増えていき、今では31万人のブラジル人、6万人のペルー人が日本で働いたり、学んだりしているといわれています。

 

そして、日本での滞在が長くなるにつれて結婚して家族ができ、日本に定住する傾向も高くなります。ただ日本で暮らす中でさまざまな困難や問題にも直面しています。それらをサポートするのが国際交流ボランティア。海外ボランティアに敷居が高いと感じるならまずは日本でできる国際交流ボランティアへの参加を目標にしてみてはいかがでしょうか。

国際協力NGO

海外ボランティアをインターネット上などで調べて行くと「国際協力NGO」という言葉を見かけることがあるかもしれません。たとえば、国際協力のお祭り、イベントなどに行くとこの国際協力NGOが出ていたということも。

 

まず、国際協力NGOとは、災害、貧困、自然破壊などの途上国が抱える課題を解決するために民間の力で取り組もうとしている団体のことをさします。たとえば、物資の支援から、医療や教育支援など現地での活動がメイン。ほかにも、現地で活動を行わずに“アドボカシー活動”を行う団体も国際協力NGOとして含まれることがあります。

 

NGOは英語で“Non-Governmental Organization”の略です。日本語だと「非政府組織」になります。政府や国際機関ではなくて民間の立場において、国境、民族、宗教の壁を越えてさまざまな問題に取り組むという団体と通常では定義されています。ただし、政府に異を唱える「反政府組織」ではないのでくれぐれも要注意。

 

さらに、国際協力NGOは、ただ国際協力に限りません。日本国内で活動している任意団体も国際協力NGOに含まれます。

 

海外ボランティアと国際協力NGOはけっこう接点があります。というのも、国際協力NGOが海外ボランティアを募集して派遣するというパターンも考えられるからです。

海外ボランティアと難民

日本で外国籍の人々と交流したり支援したりする活動の1つが「難民支援活動」です。海外ボランティアを体験する前に日本で貴重なボランティア活動ができるはず。

 

そもそも難民は、戦争や天災などのため困難におちいった人々、また戦禍、政治的混乱や迫害を避けて故国を出た人々のことを指します。自国内の別の場所に避難している“避難民”も故郷を追われた人々という意味では同じです。

 

難民問題というと日本から遠いアフリカ諸国やアジア諸国をイメージすると思いますが、難民となった人々は世界中にいて日本も例外ではなく、日本でも多くの難民の人々が生活しています。

 

ただ、日本は難民の認定にはとても消極的です。ので、日本で在留資格を得ることが難しいのが現実。なぜかというと、難民認定申請の理由を経済的な目的であると判断されるかことが多いからです。

 

日本は、1981年に「難民条約」に加入しました。この難民条約は、庇護を求める難民を受け入れて保護する義務があり、難民としての庇護を求める人たちに安全な居場所を提供しなければなりません。しかし日本では難民認定すら認められないので、難民支援するボランティア団体は、条約の精神に基づいて難民申請を働きかけることをメインに活動しています。国際交流ボランティアにも複雑な背景があるのです。

有償の海外ボランティア

海外ボランティアも含めて、ボランティアは無償であることが原則になります。しかし、有償ボランティアもあるのも事実です。もちろん、ボランティアが対価を求めない無償の行為であるべきという意見もありますから、場合によって有償であってもボランティアと呼んでいいのか、はっきり答えは出しにくいでしょう。

 

たとえば、交通費などの実費を受け取ることはまだOKかもしれません。そして、精神的な報酬を得るための無償の活動がボランティアと考えられるでしょう。ただし、すべてのボランティアが無償ではありません。「謝礼」のような報酬を受ける有償ボランティア制度があるNGOなども少なからず存在します。

 

分かりやすい例を挙げると、家事のサポートや介護など。ずっと無償ばかりでは利用する側が遠慮したり、「お礼に」と高価なものを渡されたりということがよく起こります。この場合、金額はわずかでもこれらのサービスに対する対価がもし決まっていれば「謝礼はいただいています」と言うことができます。そうすると、ボランティアする側もされる側もよけいな気遣いをすることなくボランティア活動に従事できるでしょう。有償ボランティアはすべて悪いわけではなく、ケースバイケースといえます。

海外ボランティアのワークキャンプ

海外ボランティアの中で、スタディツアーよりもより本格的なのが「ワークキャンプ」です。スタディツアーで物足りない人におすすめ。ワークキャンプは、1ヶ月ほどの期間で実際にさまざまなプロジェクトに取り組む海外ボランティアのことです。

 

ワークキャンプを主催するのは、日本に限りません。世界あちこちの団体がさまざまなワークキャンプを主催していて、しかも選択の幅が広いです。例えば、文化財の修復、難民キャンプでの救援活動、さらにウミガメの保護など本当に選択肢は多い。

 

そして、ワークキャンプ時の宿泊はチームメンバーと一緒にコテージやテントなどに寝泊まりすることが通例。海外経験がまだ少ないけれども、外国人の友人をたくさんつくりたい、ひとりで参加するには不安がまだある人にはワークキャンプは最もおすすめの海外ボランティアのプログラムです。

 

ワークキャンプの特徴は、プロジェクト型でミッションをしっかり持ちながら活動していること、そして、根底のテーマが“国際交流”であることが多いことです。また、英語力やその他語学力は、やはり中学〜高校レベルの基礎的な会話能力が必須といえます。そして、ボランティアの期間は1週間〜約1ヶ月。活動内容の例をあげると、重要文化財の保護と修復、ウミガメの観察と保護活動、井戸の採掘などです。

学生の海外ボランティア

時間的な自由度が大きい大学時代は「ボランティア適齢期」といわれます。現状、ボランティア活動に最も活発に参加しているのが大学生です。趣味や特技を生かす、関心のある分野のテーマを深めるなど、ボランティアにはさまざまな可能性があります。海外ボランティアとして活動するにも適しています。

 

まず、自分の大学内でボランティアに関する情報を調べてみましょう。どこの大学でも掲示板にボランティア募集の情報が貼られているはず。情報の中からやってみたいと思えば、気軽に問い合わせてみるべし。ボランティアコーディネーターのいる大学もあって、気軽に相談できるはずです。

 

とりあえずボランティア見学やお試しなどで体験的に参加してみるのがおすすめ。ボランティア説明会に行くのも手です。また、アースデイやグローバルフェスタなどのイベントや講演会に足を運んでみるのもいいかもしれません。

 

特に、夏休みや冬休みなどに開かれる体験ボランティアがおすすめです。市区町村のボランティアセンターが主催していて地域のボランティア団体でのお試しボランティアがあり、別名「夏ボラ!」とも呼ばれています。また、ボランティア団体が一同に集まる説明会やボランティア見本市、ボランティアセンター単位のボランティア祭りなどもあります。その後、海外ボランティアにターゲットを絞ってみてもいいのではないでしょうか。